ポルトガルには、国外の仕事を続けながら暮らす人向けの在留制度があります。
一般に「D8ビザ」と呼ばれますが、これは通称です。本記事では、居住を目的とするルートを中心に説明します。
こんな方におすすめ
- 国外の会社や顧客の仕事を続けながら、ポルトガルで暮らしたい方
- D8ビザで必要な収入や書類を、公式情報から確認したい方
- ポルトガル移住に必要な保険・住居・税務の注意点を知りたい方
ポイント
まず、国外の仕事と安定収入を証明できるか確認しましょう。収入額だけでなく、契約書と入金記録の一致が重要です。
D8ビザが向いている人
国外の仕事を続けながら、ポルトガルに生活拠点を置きたい人に適した制度です。
一方、現地企業への就職が目的の人や、収入を継続して証明できない人には向きません。
| 向いている人 | 慎重に検討したい人 |
|---|---|
| 国外企業でリモート勤務している | ポルトガル企業への就職を希望している |
| 国外の顧客と継続契約がある | 収入が単発案件に大きく偏っている |
| 欧州で2年以上暮らしたい | 短期滞在だけを予定している |
| 住居・税務も含めて準備できる | 住居費や税負担をまだ試算していない |
条件に合う場合は、収入証明と住居証明から準備を始めると進めやすくなります。
ポルトガルD8ビザの基本情報
D8は、国外の企業や顧客に向けて働く人を対象とした通称です。
AIMAの公式案内では、対象となる滞在許可の正式名称がポルトガル語で掲載されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な対象 | 国外企業の会社員、国外顧客を持つフリーランス |
| 仕事の条件 | ポルトガル国外に向けたリモート業務 |
| 居住許可の期間 | 初回2年 |
| 更新 | 3年ごとの更新が可能 |
| 主な確認事項 | 収入、雇用・契約関係、住所、保険、犯罪経歴 |
居住許可は、ビザを取得して入国した後の手続きです。ビザ取得だけで全工程が終わるわけではありません。
2026年に必要な収入
申請に必要な収入は、ポルトガルの最低賃金に連動します。固定額として覚えず、申請時の基準で計算してください。
2026年のポルトガル本土の最低賃金は月920ユーロです。4倍で計算すると、月3,680ユーロが目安になります。
| 計算項目 | 2026年の目安 |
|---|---|
| 最低賃金 | 月920ユーロ |
| D8で必要な収入 | 最低賃金の4倍相当 |
| 単身者の計算例 | 月3,680ユーロ |
3,680ユーロが日本円でいくらになるかは、Wise公式の為替レート計算ツールで確認できます。
最低賃金や審査方法は変わる可能性があります。申請直前に、領事窓口と公式案内で再確認してください。
金額だけではなく継続性も示す
審査では、国外から安定して収入を得ていることを資料で説明します。
契約書、請求書、給与明細、銀行の入金記録で、同じ期間と金額を示せるようにしましょう。
会社員とフリーランスの必要書類
働き方によって、収入と契約関係を示す書類が異なります。
| 立場 | 主に準備する書類 |
|---|---|
| 会社員 | 雇用契約書、在職証明書、給与明細、リモート勤務の許可書 |
| フリーランス | 業務委託契約書、請求書、入金記録、事業・税務関係の資料 |
| 共通 | パスポート、住居証明、保険証明、犯罪経歴に関する書類 |
書類の名称や認証方法は、申請する国と窓口によって異なります。
日本で申請する場合は、在日ポルトガル大使館などの案内を基準にしてください。
申請の流れ
準備は、書類の取得に時間がかかるものから始めます。
- 対象条件を確認する
- 働き方、収入、予定する滞在期間を整理します。
- 証明書類をそろえる
- 契約書、入金記録、住居、保険などを準備します。
- 居住ビザを申請する
- 管轄窓口の最新リストに従って提出します。
- 入国後に居住許可を申請する
- AIMAの案内に従い、予約と必要手続きを進めます。
AIMAによると、居住許可申請では有効なパスポート、居住ビザ、国外との労働・業務関係、住所の証明などが求められます。
書類で起きやすい問題
多くの問題は、情報の不足よりも書類同士の不一致から起きます。
契約書と入金額が合わない
契約書の報酬額と銀行入金が異なる場合は、理由を説明できる資料が必要です。
為替換算、手数料、複数案件の合算も、一覧表にすると確認しやすくなります。
住所の根拠が弱い
AIMAは、申請者がその住居を使える根拠を求めています。
賃貸の場合は、契約書だけでなく、家主や宿泊提供者の申告が必要になる場合があります。
翻訳・認証に時間がかかる
犯罪経歴証明などは、取得後に翻訳や認証が必要になることがあります。
有効期限もあるため、申請予定日から逆算して準備してください。
保険を選ぶときの確認点
保険を選ぶ際は、「申請で使えるか」と「現地生活で十分か」を分けて確認します。
補償地域、期間、金額、英文証明書の発行可否を確認してください。
\ 公式サイトで確認 /
補償内容と料金を公式サイトで確認できます
保険商品がビザ要件を満たすとは限りません。申請窓口の条件と、保険会社の証明内容を照合してください。
税務はビザと別に確認する
ビザを取得しても、税務上の扱いが自動的に決まるわけではありません。
滞在日数、住居、所得の種類、日本との生活関係などで判断が変わります。
旧NHR制度の情報が残っている記事もあります。過去の優遇制度を前提に移住費用を計算しないでください。
長期滞在を決める前に、日本とポルトガル双方の専門家へ確認するのが安全です。
リスボンとポルトを比較
リスボンは、交通や仕事上の選択肢を重視する人に向いています。
ポルトは、街の規模や落ち着いた生活環境を重視する人に向いています。
| 比較項目 | リスボン | ポルト |
|---|---|---|
| 街の特徴 | 首都で、仕事や交流の選択肢を探しやすい | 中心部が比較的まとまり、街を移動しやすい |
| 住居 | 物件数だけでなく、家賃と通勤時間を確認する | 中心部と郊外で家賃と交通を比較する |
| 仕事環境 | コワーキングの場所と、自宅からの距離を確認する | 自宅回線と、オンライン会議ができる場所を確認する |
| 移動 | 空港や公共交通へのアクセスを重視しやすい | 日常の徒歩移動と空港へのアクセスを確認する |
| 気候 | 夏の日差しと暑さへの対策が必要 | 雨の多い時期と冬の湿気への対策が必要 |
| 向いている人 | 利便性、交流、移動の選択肢を重視する人 | 街のまとまりと落ち着いた暮らしを重視する人 |
これは一般的な傾向です。住居費や交通条件は、実際の物件と勤務地で変わります。
候補物件を同じ条件で3件ずつ並べると、都市ごとの違いを判断しやすくなります。
内見前に長期契約を確定すると、住居証明と生活条件の両方で問題が起きる可能性があります。
契約条件と解約条件を確認し、必要に応じて専門家へ相談してください。
欧州内の候補を比べる場合は、スペインのデジタルノマドビザも確認すると、収入条件と税務の違いを整理できます。
申請前チェックリスト
申請前に、次の項目を1枚で確認できるようにします。
仕事・収入
- 国外との雇用・業務契約を説明できる
- 必要な収入額と継続性を資料で示せる
- 契約書、請求書、入金記録の金額が一致している
住居・保険
- 住居を使用できる根拠がある
- 保険の英文証明書と補償内容を確認した
提出書類
- 翻訳、認証、書類の有効期限を確認した
入国後
- AIMAの手続きを予定に入れた
- 税務上の影響を専門家へ確認した
すべてを一度に完成させる必要はありません。まず、不足している書類と担当窓口を特定しましょう。
公式情報の確認先
制度は変更されるため、申請前に一次情報を確認してください。
本記事は一般情報です。個別の法務・税務判断は、公式窓口や専門家へ相談してください。
海外送金や現地決済の準備は、Wiseの使い方と注意点で確認できます。ビザ申請とは分けて比較してください。
よくある質問
D8はビザの正式名称ですか?
正式名称ではなく、一般に使われている呼び方です。公式サイトでは、国外向けのリモート業務を行う人の居住ビザ・居住許可として案内されています。
2026年はいくらの収入が必要ですか?
最低賃金の4倍を基準にすると、単身者は月3,680ユーロが計算上の目安です。最低賃金と提出方法は変わるため、申請時に必ず再確認してください。
フリーランスでも申請できますか?
国外の顧客との契約と、継続的な収入を証明できれば対象になり得ます。契約書、請求書、銀行入金などの内容をそろえることが重要です。
居住許可は何年間有効ですか?
AIMAの案内では、最初の居住許可は2年間です。その後は3年ごとに更新できます。
ポルトガルに183日未満なら非課税ですか?
滞在日数だけで一律には判断できません。住居や生活関係、所得の種類も影響します。日本とポルトガルの税務に詳しい専門家へ確認してください。
ビザを取得すれば手続きは完了ですか?
完了ではありません。居住ビザで入国した後、AIMAで居住許可の手続きを進めます。予約方法と必要書類は入国前にも再確認してください。
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まとめ
- D8は国外の仕事を続ける人向けの通称
- 2026年に必要な収入の目安は月3,680ユーロ
- 契約書と入金記録の一致が重要
- 居住許可は初回2年、更新は3年ごと
- ビザ、保険、税務は別々に確認する
条件に合う場合は、まず契約書と直近の入金記録を並べてください。
不足書類が見えれば、次に確認する窓口も明確になります。
6カ国のデジタルノマドビザ比較で候補を絞ってから、ポルトガルの準備へ進む方法もあります。
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